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ハードロックナット誕生秘話

最初の戻り止めナット「板バネかしめナット」を開発してからしばらくして、高度経済成長の時期を迎え、省力化、自動化、省人化の流れにも乗り、様々な業界に販路が拡大していきました。それに伴い、出荷数量も右肩上がりとなり、売上も昭和30年代後半には、当時で15億円にまでなったことで、一見順風満帆のように周りからは見られていました。

しかし、振動や衝撃が激しい箇所にも当然使われるようになったことで、「板バネかしめナット」の板バネが強度不足で外れる事故が度々発生し、中には作業中に怪我をさせ損害賠償を請求されたこともありました。

こうした不安を常に抱えながら日々を過ごしていたため、未完成の「板バネかしめナット」は今後積極的に世の中に出すべきものではなく、逆に絶対にゆるまないねじを開発しなければならないという強い研究意欲が湧きあがってきました。ただそれは、お客様に喜んで頂こうという「利他の精神」からではなく、日々の精神的な不安と苦しみから1日も早く解放されたいという「利己的な考え」からのスタートでした。

ある日、近くの神社にお参りに行った際、鳥居の貫を固定する「くさび」を見て、この構造をボルト・ナットのガタを埋めるモノに使えるはずと閃き、この上ない喜びを感じました。

それからは、毎日、ナットへどうやって「くさびの原理」を応用できるのか試行錯誤を繰り返しました。しかし、いくら考えても1つのナットでは実現できず、絶対に不利と思える2個のナットを使って初めて「くさびの原理」を実現させることに成功しました。「ハードロックナット」の誕生です。

※イメージをクリックしますと拡大されます。

 

ゆるみ止めの効果はくさびでボルトと一体化しますので、振動衝撃でゆるむことはない絶対的な安心感が得られる反面、2個のナットという大きな短所が同時に発生しました。ただ、短所は見方によっては大きな長所ともなりました。まさしく逆転の発想です。

短所⇒長所

◇2個で重くなる

⇒様々な材料での製品化が可能なため、アルミ・チタンはもとより非鉄金属での樹脂等で軽量化が可能。

◇製品単価が割高になる

⇒製品自体は割高だが、点検箇所および点検回数が減少出来るためトータルコストの大幅削減が可能。➠トータルコストオペレーション(TCO)について

◇2回締めで作業性が悪い

⇒他のセルフロックナットの多くは、ねじ部に抵抗を持たせたタイプのため、工具による締付においては、
抵抗の無い当社製品は短時間での締付が可能。

その後、商品としてはお客様からの多くの課題をその都度解決しながら約50年の年月を歩んできました。
今日においても、お客様の安全に対する高い要求は尽きません。ハードロックナットの誕生は、ある意味「利己的な考え」からのスタートではありましたが、今後は安全を開発し安心を提供し続けていく「利他の精神」で、お客様満足に努めていきたいと思います。