ゆるみ止め性能上のQ&A
ナットのゆるみ止め効果は、どのような実験で評価されていますか?
ナットのゆるみに関する具体的な評価方法は、国際的に存在しません。
当社は、NAS(米国航空宇宙規格)3350/3354に準じる衝撃振動試験やユンカー式ねじゆるみ試験により評価をしています。
一般のナットと比較して、ゆるみ止め効果はどの程度ありますか?
有限要素解析からは、1000倍以上のナットの戻り止め効果がでています。
これは溶接・接着剤・リベットレベルの効果と言えるため、一般ナットとは比較にならないほどに高いといえます。
また、ASME2005、2006PVP(アメリカ機械学会)の研究論文の中で他のゆるみ止め部品と比較して、HLN ハードロックナットが軸直角方向の
振動衝撃に対していかに優れているかを実験とFEM解析双方から立証されております。
再使用はできますか?
再使用は可能です。
社内のユンカー試験では50回程度まではゆるみ止め機能上問題ないことが確認できております。
ただし、機能自体は問題なくても、環境条件により素材が疲労し劣化しますので、再使用の際はその点を十分考慮ください。
素材自体が問題ない場合、再使用の目安は、
凹ナットを一旦外して、再度凹ナットを手締めした際に、凹凸ナットの隙間がボルトの1ピッチ程度あいていることが条件です。
極端に隙間がないものに関しては、凹ナットが塑性変形している可能性がありますので、再使用は避けて下さい。
ナットの締付けトルクが極端に低い場合(つまりボルト軸力が非常に低い場合)でも
ゆるみ止め効果はありますか?
あります。
HLN ハードロックナットは、ボルト軸力の高低に関係なく初期軸力を独特のくさび力で維持させることが可能であり、これが最大の特徴でもあります。
ナットの種類はメートルねじだけですか?
ウイットフォースねじ、ユニファイねじも製作可能です。
主にどのような箇所で使用されていますか?
※過酷な衝撃・振動が発生する箇所
※溶接や接着剤を使っていたがメンテナンス時に取り外ししたい箇所
※一旦取り付けるとメンテナンスできない重要箇所
※人命にかかわる危険な箇所
※温度差が激しい箇所
※あまり強く締付けれない箇所
※環境が非常に悪い箇所
・・・・等さまざまです。
使用選定上のQ&A
ハードロックナットの形状は決まっていますか?
リム付タイプやベーシックタイプ以外にも、薄型タイプ、厚型タイプなどお客様の使用条件にあわせた製品を取り揃えております。
仕様のご相談はお問い合わせください。
どのような環境にも対応できる製品はありますか?
鉄をはじめ、熱処理鋼、ステンレス鋼、チタン等の合金鋼、真鍮、樹脂等さまざまな材質での製造が可能です。
またさまざまな表面処理も可能ですので、さまざまな環境に対応することが可能です。
温度差の激しい環境下でも、ゆるみ止め機能を持続することができますか?
ゆるみ止めの機能は問題ありません。
しかし、温度が上昇すれば素材が膨張するためねじの締結力が低下し、反対に温度が低下すれば素材が収縮するため、締結力が上昇します。
通常の場合、このように素材が膨張収縮を繰り返すとナットは必ずゆるみます。しかしながら、HLナットは締結力がなくなっても、くさびの構造でナット自身がゆるむことはありません。
平座金、ばね座金、皿ばね座金等の座金類と組み合わせて使用しても良いですか?
原則的に問題はありません。
ただし、ばね座金(スプリングワッシャー)は繰り返し使用すると効果がなくなり、疲労して割れる場合がございますのでご注意ください。また平座金に関しても、強度不足だと陥没ゆるみを発生させる可能性があるので、使用条件を考慮した併用が望ましいです。一度ご確認してからお使いください。
現行の平座金、ばね座金や皿ばね座金は不要ですか?
平座金、ばね座金、皿ばね座金にはそれぞれの用途があります。
平座金は素材の陥没を防ぐ役割、ばね座金・皿ばね座金は緩衝材の役割を果たしますので、環境条件によってHLナットと組み合わせて使用することをお奨めします。
焼付き、かじりは問題ありませんか?
焼き付き、かじりが発生しやすいステンレス材は全製品、またその他の材質についてもサイズ等によって個別に焼付き防止剤を塗布しています。ただし使用環境や用途により発生することもございますのでご注意下さい。
取付に際してのQ&A
締付ける際に、HLN ハードロックナットやボルトに潤滑剤の塗布は必要ですか?
ステンレス材は焼き付きやすいので、当社では特殊潤滑剤を塗布しています。
溶融亜鉛めっき製品については、螺入がスムーズにできますか?
M8-M12までの小径サイズはねじ部にめっきが若干たまりやすいため、当社でも処理を行っておりますが、中には手でボルトに螺入が困難なものも含まれております。その場合は、スパナ等の工具で軽く締付けていただければ問題ございません。
特別な工具が必要ですか?
必要ありません。
一般のスパナやトルクレンチ、インパクトレンチ等をご使用ください。
インパクトレンチで締付ける場合は、凸ナット凹ナットの順番で締付ければ大丈夫です。
凹凸ナットを締付けた後、凹凸ナット間の隙間は空いていても大丈夫ですか?
隙間は空いていても問題ございません。
締付けた際に少し隙間が空いていても、凹ナットを当社規定トルクで締付けていただければ、隙間の有無は関係なくゆるみ止め効果は発揮されます。
凸ナットと凹ナットは、それぞれ締付けトルクは決まっていますか?
基本的には凸ナットは締結用ナットのため、お客様の管理値で締付けてください。凹ナットはロックナットですので当社の管理値でお願いいたします。 ただし、凹凸ナットを同トルクで管理したい場合は当社へご相談ください。
締結後のメンテナンス時のQ&A
締付け後の管理方法で増し締めは必要ですか?
一般的にねじの性能上、締結後に増し締めを行っていただくと初期のなじみが解消されます。ただし、増し締めが行えない場合は、あらかじめ初期締付トルク値にボルト軸力低下分(約10~30%)を加えて締付け管理をされている企業様もいらっしゃいます。
錆や埃がかみあって取り外しにくい場合、特にステンレスはどのようにすれば良いですか?
ナットを無理に取り外すのではなく、取り外す前に浸透性の高い潤滑剤をボルトとナットの隙間にスプレーするとスムーズに外すことができます。
繰り返し使用はどの程度まで可能ですか?
社内実験では、50回着脱しても機能上問題はございませんでした。
しかし、使用環境での素材自体の劣化などで大きく条件が異なります。再使用の目安としては、ご使用のボルトにハードロックナットの凸ナットを締付け、その後凹ナットを手締めした時に凹凸ナットの隙間が1ピッチ以内の場合は、ご使用をお避けください。くさび効果が十分発揮されません。
ご不明な点は当社までお問合せください。
取り外し時の注意点はありますか?
ボルトとナットに潤滑剤を塗布し、凹ナット、凸ナットの順で取り外してください。
凹凸ナットを同時に外さないようご注意ください。焼き付きの原因になります。
HLN ハードロックナットがゆるむと思われる原因は何がありますか?
ゆるみには2種類あり、ナットが回転してゆるむケースと、締結力(ボルト軸力)が低下するケースがあります。
1.凹ナットを当社規定トルクで締結しなかった場合。
2.再使用の際、凹ナットを締めすぎて塑性変形しロック機能が失われている場合。
3.HLN ハードロックナットを凹凸逆に取付けるなどの間違った締め方をしていた場合。
次に、HLN ハードロックナットが回転によるゆるにではなく、初期締結力(ボルト軸力)が低下する場合です。
1.初期なじみによる軸力低下の場合
2.部材の陥没による軸力低下の場合
3.微動摩耗による軸力低下の場合
4.過大荷重や過大応力により軸力が低下した場合
5.熱的原因で軸力低下が発生した場合
以上、これらすべてにおいてはHLN ハードロックナット自体のゆるみとは関係がなく、ナットが戻り回転しないゆるみの現象です。